中央アルプスのライチョウの生存確認!
嬉しいニュースです。
本日の信濃毎日新聞の一面に「中アのライチョウ無事越冬しました」と掲載がありました。
信毎webリンク(記事へ)
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200523/KT200522FTI090023000.php
ライチョウとは
キジ目ライチョウ科の鳥で高山のハイマツ帯に生息しています。
ライチョウの仲間は世界では北半球北部に生息しています。
日本では北アルプス、南アルプス、御嶽山、乗鞍岳などに生息しています。
生息できる環境は高山帯と特殊な限られた場所です。
その高山帯は近年の環境変動による気温上昇の影響を受け、環境が悪化していることから絶滅が心配されており、「絶滅危惧IB類」に指定されています。
夏は白・黒・茶色のまだら模様をしていますが、冬は全身白色になります。
これは周囲の環境に溶け込み、敵から見つからないようにするためです。
繁殖期はつがいで生活します。
卵を産むとメスは抱卵し、オスは見張りをします。
育雛はメスが行います。
※ちなみに北海道には山林に「エゾライチョウ」という仲間が生息しています。
この鳥はライチョウとは異なり、一年中羽の色は変わりません。
そして狩猟鳥です。ただ近年生息数は減っています。
ライチョウの撮影に望遠レンズはいらない
通常、野鳥の撮影には超望遠レンズが必要ですが、ライチョウは標準レンズで撮影できます。
日本の高山帯に住むライチョウは人が近づいても逃げません。
かつて山は信仰の対象となっていました。
そこに生息していたライチョウも狩猟の対象になることはありませんでした。
そのため人を恐れないと考えられています。
中央アルプスのライチョウ
中央アルプスにはかつてライチョウが生息していましたが、生息環境の悪化により絶滅してしまいました。
ところが2018年夏に約半世紀ぶりにメスの姿が確認されました。
遺伝子解析の結果からこのライチョウは北アルプスの乗鞍岳から飛来したとみられています。
環境省は昨年、このメスに北アルプスで産卵された有精卵を抱かせ、育てさせました。
一時期はメスが雛を連れた姿を確認することができましたが、冬前には全滅してしまいました。天敵のキツネ、猛禽類等に食べられてしまったとみられています。
今年は同様の方法でかえらせた雛を夜間はケージにいれて天敵から守り、中央アルプスでの生息数を増やす取り組みを本格的に行うそうです。
この方法は南アルプス北岳では既に行っており、個体数の回復傾向が確認されているようです。
今年は雛が冬を越せるといいなと思っています。
ライチョウを観察するには
標高2500mを超えるライチョウに会うためには山を登らなければなりません。
ただ生息地である北アルプス立山連峰の室堂や乗鞍岳はバス等を乗り継げば本格的な登山をしなくても訪れることができます。
それよりもっと気軽にライチョウを見る方法は動物園、博物館へ行くことです。
絶滅が心配されるライチョウの飼育、繁殖技術の習得のため、
日本動物園水族館協会はライチョウ飼育計画を提出し、国の計画として2015年から東京の上野動物園、富山市ファミリーパークにおいてライチョウの飼育を行っています。
他にも長野県の大町山岳博物館等、複数の場所で飼育、展示されています。
冬山で真っ白なライチョウを見るのは大変ですが、飼育されているライチョウなら気軽に会いに行けます!
まとめ
生きた化石と呼ばれる絶滅危惧種、特別天然記念物の「ライチョウ」。
飼育技術の発展と環境保護によって、これから先も日本の山で生きていけるよう願っています。