野生動物のフィールドサイン ~足跡編~
鳥を探しにため池に行ったら水が少ない!
田植えのシーズンですからかね。
鳥はあまりいませんでした。
でも面白いものを見つけました。
動物の足跡です!
足跡は野生動物のフィールドサインの1つです。
フィールドサインとは
フィールドサインとは野生動物が残した、
足跡やフン、食痕といった「生活痕」のことです。
以前は石の上に乗ったホンドテンの「ウンチ」をフィールドサインとして紹介しました。
池の水が少なかったため、湖底の一部が出てぬかるみになっていました。
そこを動物が歩いていました。
これはタヌキの足跡です。
4本の指跡と爪の跡が残っています。
後ろ足は前足よりも指がすぼまっており、爪の跡がほとんど残っていないのが特徴です。
猫の足跡と似ていますが、猫の場合は爪の跡が残らない場合が多いです。
タヌキとは?
食肉目イヌ科の動物です。
日本には本州から九州に生息するホンドタヌキと、
北海道に生息するエゾタヌキがいます。
平地から山地まで広く分布する里山の代表的な動物です。
都市の公園や住宅地にも住んでいます。
主な食べ物はミミズや昆虫類の幼虫などの土壌動物です。
雑食性のため野ネズミや鳥類、果物なども食べます。
こちらは別の足跡です!
アオサギの足跡です。
私が近づくまで水際にいました。
結構大きいのですが、この写真じゃわからないですね…
サイズがわかるものと撮影するという基本を忘れていました。
鳥の足の指?趾(あしゆび)?
鳥の足の指は基本的に4本あります。
これを趾(あしゆび)と言います。
もともとは5本あったものが退化して4本になりました。
4本中1本は後ろ側にあります。
これがあることで木にとまるときに枝をつかみやすいのです。
鳥は種類によって、地上で生活する鳥、樹木の上で生活の鳥、水上で生活する鳥等様々なものがいますが、それぞれが生活する環境よって適応した趾を持っています。
まとめ
動物の足跡を見つけるのは意外と難しいです。
探しやすい場所は雪の上、田んぼ、河原(砂の)、グラウンドですかね。
動物の足跡がある=そこを動物が通っている。
そう考えると楽しくなってきます。
生息している動物の種類だけ足跡があるので、種を特定するのも大変ですが、
残された手掛かりから持ち主を探す…
探偵みたいで楽しいですよ!
人工知能で花の名前がわかる!
「ハナノナ」をダウンロードして使用してみました。
深層学習によって花の名前を分類できるシステムで、2017年にウェブサービスとして公開されたものがアプリとなって登場しました。
WEBリンク(ここからアプリのインストールもできます)
https://flowers.stair.center/ja/
先日出かけたときに使用してみましたがかなり優秀でした。
カメラでかざせば種名を知ることができますし、下の写真のように種名と一緒に写真に残すこともできます。
フデリンドウ
筆のような形をしていることから名前が付いたフデリンドウ。
リンドウ科リンドウ属に属します。
日本では北海道から九州に分布し、山地の林内や日当たりの良い
やや乾いた草地に自生しています。
ミツガシワ
ミツガシワ科ミツガシワ属の多年草です。
ミツガシワ属にはミツガシワしか存在しません。
3枚の小葉がカシワの葉に似ていることから名前が付きました。
日本を含めた北半球の寒冷地に分布し、湿地や浅い水中で見られます。
西日本でも一部では生息を確認することができます。
花をよく見ると白い毛みたいなものが生えています。
ここでは池に群生していました。
(標高1000mを超える山の中の池です)
図鑑で名前を探すのも楽しいですが、このような文明の利器を使うのもいいと思います。
外出先でも気軽に使えますし、判別能力も高くかなり優秀です。
自然観察は必ずしも生き物の名前を知らなくてもできますが、
名前を知ることで新しいことを発見できることもあるので
臨機応変に使っていければと思います。
山をおかずにお昼ごはん ~乗鞍高原編~
緊急事態宣言が解除されて2回目の週末です。
天気も良く、家の窓から山が見えると登りたくなってしまいます。
しかし登山はまだまだ自粛中。
先週末、長野県伊那市の南アルプス林道、市営の山小屋は今シーズンの営業を行わないと発表されました。
今シーズンはもう登山はできないかもしれませんね。
山登りはできませんが、今日は天気が良かったので乗鞍高原へ散歩に行きました。
青空の下に乗鞍岳がはっきりと見えました。
一ノ瀬園地をぐるっと一周しました。
確認できた野鳥はツツドリ、カッコウ、モズ、シジュウカラ、ウグイス…。
何度聞いてもツツドリの鳴き声は面白いですね。
ポポーポポー。
山菜取りをしている人がたくさんいました。
お目当てはこれですね。ワラビ!
一ノ瀬園地には池がたくさんあります。
5月中旬位まではミズバショウが咲いていますが、
今の時期は終わってしまい、ほとんど咲いていませんでいた。
レンゲツツジが咲いているかなと思いましたが、まだつぼみでした。
6月中旬から下旬が見頃だそうです。
そりゃ咲いてないですわ・・・。
乗鞍岳が池にきれいに反射していました。(風がやむのを待ちました…)
雪もだんだん解けてきているのがわかります。
本日の目的は山をおかずに昼食を食べること!
ということで昼食を作ります。
まずはメスティンでご飯を炊きます。
メスティンでお米を炊くコツ!
①お米は火にかける前に30分くらい水につけておく
②パチパチ言うまで火にかける(香ばしいにおいがします)
メスティンを使えばとても簡単にご飯が炊けます。
失敗することはほとんどありません。
今日のお昼はコンビニで買ってきた、タイカレーとウィンナーです。
炊いて焼くだけ・・・
でも山を見ながら食べるととても美味しかったです。
今年は思うように山に登れそうもありませんが、
近場で楽しめることをしようと思います!
中央アルプスのライチョウの生存確認!
嬉しいニュースです。
本日の信濃毎日新聞の一面に「中アのライチョウ無事越冬しました」と掲載がありました。
信毎webリンク(記事へ)
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200523/KT200522FTI090023000.php
ライチョウとは
キジ目ライチョウ科の鳥で高山のハイマツ帯に生息しています。
ライチョウの仲間は世界では北半球北部に生息しています。
日本では北アルプス、南アルプス、御嶽山、乗鞍岳などに生息しています。
生息できる環境は高山帯と特殊な限られた場所です。
その高山帯は近年の環境変動による気温上昇の影響を受け、環境が悪化していることから絶滅が心配されており、「絶滅危惧IB類」に指定されています。
夏は白・黒・茶色のまだら模様をしていますが、冬は全身白色になります。
これは周囲の環境に溶け込み、敵から見つからないようにするためです。
繁殖期はつがいで生活します。
卵を産むとメスは抱卵し、オスは見張りをします。
育雛はメスが行います。
※ちなみに北海道には山林に「エゾライチョウ」という仲間が生息しています。
この鳥はライチョウとは異なり、一年中羽の色は変わりません。
そして狩猟鳥です。ただ近年生息数は減っています。
ライチョウの撮影に望遠レンズはいらない
通常、野鳥の撮影には超望遠レンズが必要ですが、ライチョウは標準レンズで撮影できます。
日本の高山帯に住むライチョウは人が近づいても逃げません。
かつて山は信仰の対象となっていました。
そこに生息していたライチョウも狩猟の対象になることはありませんでした。
そのため人を恐れないと考えられています。
中央アルプスのライチョウ
中央アルプスにはかつてライチョウが生息していましたが、生息環境の悪化により絶滅してしまいました。
ところが2018年夏に約半世紀ぶりにメスの姿が確認されました。
遺伝子解析の結果からこのライチョウは北アルプスの乗鞍岳から飛来したとみられています。
環境省は昨年、このメスに北アルプスで産卵された有精卵を抱かせ、育てさせました。
一時期はメスが雛を連れた姿を確認することができましたが、冬前には全滅してしまいました。天敵のキツネ、猛禽類等に食べられてしまったとみられています。
今年は同様の方法でかえらせた雛を夜間はケージにいれて天敵から守り、中央アルプスでの生息数を増やす取り組みを本格的に行うそうです。
この方法は南アルプス北岳では既に行っており、個体数の回復傾向が確認されているようです。
今年は雛が冬を越せるといいなと思っています。
ライチョウを観察するには
標高2500mを超えるライチョウに会うためには山を登らなければなりません。
ただ生息地である北アルプス立山連峰の室堂や乗鞍岳はバス等を乗り継げば本格的な登山をしなくても訪れることができます。
それよりもっと気軽にライチョウを見る方法は動物園、博物館へ行くことです。
絶滅が心配されるライチョウの飼育、繁殖技術の習得のため、
日本動物園水族館協会はライチョウ飼育計画を提出し、国の計画として2015年から東京の上野動物園、富山市ファミリーパークにおいてライチョウの飼育を行っています。
他にも長野県の大町山岳博物館等、複数の場所で飼育、展示されています。
冬山で真っ白なライチョウを見るのは大変ですが、飼育されているライチョウなら気軽に会いに行けます!
まとめ
生きた化石と呼ばれる絶滅危惧種、特別天然記念物の「ライチョウ」。
飼育技術の発展と環境保護によって、これから先も日本の山で生きていけるよう願っています。
誰かに頼るという生き方(ヤドリギ)
一人でも私は生きられるけど、でも誰かとならば人生ははるかに違う。
中島みゆきさんの「誕生」。私が好きな曲の歌い出しです。
本当に人は一人で生きていけるのですかね?
一人で生きていると思っていても、
そんなことはなく、知らないところで誰かに助けられているし、
逆に知らないうちに誰かのためになっていることもあるのではと思います。
そんなわけで今日は寄生植物の「ヤドリギ」を紹介します。
寄生とは
寄生とは一方に利益がありますが、他方に害が生じる関係です。
ちなみに・・・
Win-Winの関係は相利共生といいます。
アリとアブラムシの関係です。
一方に利益が生じ、他方に利益も害もない関係を片利共生と言います。
有名なのはジンベイザメとコバンザメの関係です。
ヤドリギとは
他の樹木に寄生して育つ常緑の多年生植物です。
地面には根を張らず、寄生した樹木(宿主)から栄養分を吸い取ります。
ただ葉に葉緑体を持ち、自分自身も光合成を行い栄養分を得ることから、
ヤドリギは半寄生植物と言われています。
どうやって樹木に寄生するの?
ヤドリギは自分自身でも光合成をしますが、一人では生きていけません。
生きていくためには樹木に寄生する必要があります。
ではどうやって寄生するのでしょうか?
ヤドリギの種に秘密が!
ヤドリギの実は冬になります。
そしてヤドリギの果実はとてもベタベタしています。
その中に種子が入っています。
ネバネバは消化されず、実を食べた鳥のフンはネバネバになります。
そのネバネバのおかげでフンが木の枝に引っかかり、そこで発芽します。
そして寄生生活のスタートです。
まとめ
これからの季節は葉が生い茂り、ヤドリギを見つけるのは難しいですが、
サクラやケヤキといった木についていることが多いので探してみると面白いかと思います。
山中で白骨と出会う
先日林道を歩いていると骨を見つけてしまいました…。
山を歩いているとたま~に骨を見つけますが、毎回ビビります。
まだ人の骨は見つけたことはありませんが…。
この写真はニホンジカの頭骨です。
ニホンジカとは
偶蹄目シカ科の動物です。
日本以外にも東アジア、北東アジア、インドシナ半島に生息しています。
日本でシカと言われる動物は北海道のエゾシカ、キュウシュウジカ、ヤクシカ等複数いますが、これらはニホンシカの亜種になります。
生息域は森林地帯で、草地があるような場所に多く生息しています。
近年で温暖化による降雪量の減少や狩猟人口の減少等により
分布域拡大、頭数の増加が問題となっています。
生息域が高山帯にまで進出し、南アルプスでは高山植物が食べられてしまうといった問題が起きています。
また木の皮を食べることで木が枯れてしまったり、農作物を食い荒らすといった林業、農業への被害も増えています。
私が住んでいる地域でも、そこら中にシカは現れています。
職場の先輩は車で帰宅途中にシカとぶつかってバンパーに大ダメージを受けました。
ぶつかったシカはピョンピョン跳ねて逃げて行ってしまったそうです。
話をシカの骨に戻します。
サイズは靴(26㎝)と同じくらいです。
よく見ると両側の角がスパッと切られています。
これは明らかに人為的に切られたものです。
罠に掛かった後、または狩猟で撃たれた後に切ったと思われます。
道の駅などで結構高値で売れるそうです。
裏から見るとこんな感じです。
雨風に当たり骨は劣化し、歯は抜けてしまっています。
周辺を探してみましたが胴体の骨は見つかりませんでした。
他の動物がここまで運んできたのか、どこかへ運んでしまってなくなったのかはわかりません。
ただ大きなシカも死んでしまえば他の動物に食べられたり、微生物に分解されたりし、自然に帰っていくのだなと実感しました。
(骨の構造的な話ができればよかったのですが、知見がありませんでした…。)
スマホって面白い写真が撮れるよね
カメラが好きで子どもの頃から写真を撮っています。
初めて一眼レフカメラを手に入れたのは中学2年生のころ。
夢中で写真を撮っていました。
それからずっと続けていますが、最近はデカくて重い一眼レフカメラはなかなか持ち出しません。
散歩のときはスマートフォン(iPhone8)で十分です。
今日は生き物紹介と撮影法の紹介をしたいと思います。
先日、水が入ったばかりの田んぼでカエルを見つけました。
「ニホンアマガエル」です。
ニホンアマガエルとは
水田に生息する代表的なカエルです。
平地から高地まで幅広い範囲に生息しています。
水中の草などに少量ずつ卵塊を産卵します。
写真のカエルは背中の色は緑ですが、灰色や斑模様に変化することができます。
私の住んでいる場所では田んぼに水が入ると一斉に鳴き出します。
この声を聴くと初夏になったと実感します。
スマホだから撮れる写真
このカエルの写真はスマートフォンのカメラを下側にし、
カメラをなるべく水面に近づけて撮影しました。
そうすることで目線が低くなり、カエルの視点で写真を撮ることができます。
場所によっては一眼レフカメラでも
ファインダーではなく、ライブビュー撮影を行えば撮れそうですが、
今回は田んぼの畔から手を伸ばして撮影したためスマホだから撮れました。
ザリガニの写真も迫力アップ
この写真も同様にスマホカメラのレンズの位置を下にして撮影しています。
アメリカザリガニです。
「やあ!」と挨拶しているみたいですね(笑)
アメリカザリガニとは
もともとはアメリカのミシシッピ川流域を中心に生息していたザリガニで、
日本に持ち込まれ増殖した「外来生物」です。
現在は北海道から沖縄までの水田、水路、ため池、公園の池等に幅広く生息しています。
在来の生物を捕食してしまうため生態系の影響を与えています。
また水田の稲を食べてしまったり、畦に穴を開けたりするため農業被害ももたらしています。
まとめ
普段のスマホ写真もカメラの位置をちょっと工夫すると面白い写真になります。
ぜひお試しください!
踏まないで!クマケムシ
この時期になると道路を横断しているアイツによく出会います。
昨日も数匹に出会いました。
車がビュンビュン走っている中、道路を一生懸命横断している毛虫。
クマのように毛深い姿から「クマケムシ」と呼ばれています。
車を止めてわざわざ撮影しました(笑)
近づいてみると結構速いスピードで動いています。
しかし周りを見ると車にひかれてしまった仲間もいました…。
クマケムシとは
正式名称は「ヒトリガ」です。
写真のものは終齢幼虫です。
体長は60㎜ほどになる大型の毛虫です。
毛がいっぱい生えていて、いかにも毒がありそうですが毒はありません。
触るとフワフワしていて気持ちいいです。
写真だとどっちが頭なのかよくわかりませんが、
上の方を見ると光沢のある黒色の部分が見えます。
こちらが頭です。
道で見かけたときは踏まないように気を付けてくださいね。
雨上がりの中央アルプス
朝6時半に起床しました。
カーテンを開けてみると曇りです。
山も下まで雲が被っていて見えません。
天気予報では晴れと言っていたので期待していましたが残念。
勉強でもしようかと思っていたら…一気に晴れてきました!
ということで近場をドライブしました。
厚い雲が一気に上がって澄んだ青空の登場です。
田植え前の水田に山や雲が映って美しかった。
昨日は雨だったため今日は田植えをしている人たちが多くいました。
雨上がりで蒸し暑く半袖で快適です。
しかし春から夏への切り替えが早くて身体が追いつきません…。
まだストーブも残っているのに…。
でもこのシーズンが一番好きです。
ちょっとした山の中にも入ってみました。
シラカバも新しい葉が出ていました。
爽やかで気持ちよかったです。
こちらの写真は駒ヶ根市より。
宝剣岳がよく見えました。
雪解けも進み、雪形「島田娘」がはっきり見えました。
雪形とは
残雪と岩肌がつくる模様を人などに見立てたものです。
昔の人たちはこの模様を目安にして田植え等の行っていました。
山の写真を撮っていたら、山に登りたくなってしまいました。
早くコロナ落ち着かないかな…。
アズマヒキガエル
年に数回子ども向けの自然観察会の案内をしています。
4月にも実施する予定でしたがコロナウィルスの流行によって中止となってしまいました。
次は夏に開催予定です。実施できるといいなと思っています。
今日は観察会で出会うことができる生き物の一つである
「アズマヒキガエル」について紹介したいと思います。
アズマヒキガエルとは
ヒキガエル科のカエルで、都市部から高山帯の池まで幅広く分布する身近なカエルです。
体長は♂が43-161㎜、♀53-162㎜です。
日本には「ヒキガエル」と言われるカエルは「アズマヒキガエル」、「ニホンヒキガエル」、「ナガレヒキガエル」等数種類います。
その中でも「アズマヒキガエル」と「ニホンヒキガエル」は見た目がそっくりです。
アズマヒキガエルはその名の通り、北海道を除く東日本に広く分布しています。
ニホンヒキガエルは西日本に分布しています。
ただ、両種の移入は進んでおり、もともと生息していなかった北海道でアズマヒキガエルが発見されています。
アズマヒキガエルは強い繁殖力を持つため、北海道固有の在来種「エゾアカガエル」に影響を及ぼす可能性があるといったことが問題となっています。
そのため両種は国内外来種として国立環境研究所の侵入生物データベースに登録されています。
アズマヒキガエルの繁殖
アズマヒキガエルの繁殖は早春の短期間で行われます。
観察会では一匹のメスを複数のオスで奪い合うカエル合戦を見ることができ大好評でした。
オスは必死にメスに飛びつきます。他のオスもそれに飛びつきます。
メスの周りには何匹ものオスがまとわりつき交尾しようと争います。
下の方にいるカエルは窒息死してしまうこともあるほど激しい争いです。
争いに勝ったオスはメスと交尾し卵を産みます。
アズマヒキガエルの卵
アズマヒキガエルを含むヒキガエルの卵は長いひも状の卵塊です。
孵化、そして幼生へ
観察場所の水路はあまり大きくないため孵化するとオタマジャクシであふれかえります。
その水路に「お麩」を入れるとオタマジャクシが集まります。
これだけオタマジャクシがいても大人のカエルになれるのはわずか数匹です。
生き残った幼生は変態し、上陸し山へ戻ります。
上陸したての頃の体長はわずか1㎝ほどしかありませんが、成長すると10㎝を超えます。
体が大きいため泳ぎもジャンプも苦手です。
山の中をノシノシ歩きながら生活しています。
夏の観察会では大きくなった姿を観察することができました。
子どもの手からあふれるサイズです。
なおアズマヒキガエルは耳腺等の皮膚からアルカイド系の毒を出します。
毒が口などの粘膜に入ると痛みや嘔吐の症状が現れるため、
触ったらしっかり手を洗いましょう。
一年を通して同じフィールドに通うと自然の変化を実感することができます。
春は観察会はできませんでしたが、夏はできるといいな。
通勤途中にカラスアゲハに出会う
平日は普通に仕事があるので、自然の中を歩くことができず残念です。
しかし注意して歩いてみると身近なところにも自然はあります。
職場に向かって歩いていると足元に蝶が!
「カラスアゲハ♀」です。
今朝は比較的涼しい朝だったため、動きが鈍くなっていたようです。
近づいても逃げませんでした。
カラスアゲハとは・・・
アゲハチョウ科の大型の蝶です。
食草はサンショウ、コクサギ、ミカン類など
森林や農地、公園に生息しており、都市部でも観察できますが、
比較的発達した森林を好みます。
寒冷地では年2回ほど産卵し、温暖な場所では年3回産卵します。
今成虫のものは昨年の秋に孵化し、蛹の状態で冬を越したものです。
今回見つけたものはメスのため多少地味ですが、
オスは青緑色の鱗粉が広がっており、光が当たると美しく輝きます。
名前に「カラス」と付いているように黒くてかっこいい蝶ですね。
似た仲間に「クロアゲハ」、「オナガアゲハ」、「ミヤマカラスアゲハ」がいます。
見た目や生息場所が異なるようです。
図鑑を見ても差がよくわからないものもあります。
今回見つけたものも初めは「クロアゲハ♀」かと思いました…。
自然は全般的に好きですが、何かに特化して詳しいわけではないので、
小さな発見からいろいろ学んでいきたいと思います。
野生動物のフィールドサイン ~ウンチ編~
せっかくの休日なのに天気が悪くてとても残念です。
今日は先日林道を散歩していた時に見つけた
動物のフィールドサインについて紹介します。
普段は気にすることはあまりないですが、
多くの人が見たことがあるものです。
フィールドサインとは
フィールドサインとは野生動物が残した、
足跡やフン、食痕といった「生活痕」のことです。
フィールドサインからわかること
フィールドサインからは、その場所でどんな野生動物が何をしていたか読み取ることができます。
普段姿を見ることはなかなかできない野生動物の行動を推理するのはとても面白いです。
どんな場所でフィールドサインは見つかるの?
注意して見ると田んぼ、畑、雑木林、林道、登山道、河原、神社やお寺、公園、民家の庭といった身近な環境で見つけることができます。
フィールドサインの例
先日、林道を歩いているときに石の上に小さなフンがありました。
これは「ホンドテン」のフンです。
アップの写真の掲載は控えますが、よく観察してみるとフンの中に白い毛のようなものが確認できます。
テンは雑食性で野ネズミやノウサギといった哺乳類から、昆虫、果実など様々なものを食べます。
このテンは何か動物を食べていたようです。
ところで、このテンのフンは堂々と石の上に乗っています。
山は広いし、木もたくさん生えていて隠れるところがたくさんあるのに
何でわざわざ石の上でウンチをするのでしょう?
僕なら恥ずかしくてできません(笑)
石の上など目立つところでウンチをするには訳があります。
ウンチが「サインポスト」になっているからです。
サインポストとは?
サインポストとは動物が自分の存在をアピールする目印のことです。
石の上や道の真ん中など目立つところにウンチをすることで、
縄張り宣言、異性へのアピールなど主に同種間のコミュニケーションのツールとなります。
まとめ
今回はフィールドサインの代表例としてホンドテンのウンチを取り上げましたが、
他にも足跡や食痕など様々なフィールドサインがあります。
家の近所にもたくさんあると思いますので、注意して観察してみると面白いかもしれません。
今年はマイマイガ大量発生の年?
先日、散歩中にマイマイガの幼虫が孵化しているのを発見しました。
1齢幼虫には毒刺毛があるため注意が必要です。
2齢以降は無毒になります。
不思議ですね。
地域によっては数年に一度大発生するようです。
幼虫はサクラやウメといったバラ科の植物や、ブナ科、ヤナギ科といった植物を食べます。
大発生すると葉を食い尽くすこともあるそうです。
食害を避けるため、庭や自宅の外壁等で上の写真のような卵塊を見つけたら、ヘラなどでそぎ落とし処理(可燃ごみに出す、土に埋める等)することをお勧めします。
成虫は夜、光に集まるので外灯付近に産卵する可能性が高いです。
地下道内には複数の卵塊があったので今年は発生数が多い年かもしれません。
参考文献
ウワミズザクラが満開に!
今日はとてもいい天気でした。
空はくっきりとした青、葉はまぶしい緑、山の雪は解け始め山肌が見えてきました。
アルプス前衛の山々も標高が低いところから段々緑になり始めています。
大好きな季節です。
いつも通る道の脇にはウワミズザクラの木があります。
隣の山桜が完全に散った後、このウワミズザクラが咲き始めます。
ウワミズザクラ(上溝桜)
学名:Padus grayana
バラ科ウワミズザクラ属
北海道〜九州の日当たりがよく比較的水分が多いところに自生しています。
成長すると高さは15〜20m、幹の直径は50〜60cmほどになります。
今日撮った写真は逆光で花がよく見えないのでフリー素材よりお借りしました。
花だけを見ると桜の仲間には見えませんが、葉を見ると桜と同じ形をしています。
花は甘い香りがします。
花が咲いた後にできる実は食用になり、果実酒などに用いられるそうです。
ここではよく野鳥が食べています。
秋はとてもきれいなオレンジ色に紅葉します。
ウワミズザクラを見ると試験管を洗うコイツを思い出します…笑
Stay Home with Nature
Stay Home と言われているが、家にずっといるのはつまらない。
特に子どもは学校も休みで思うように遊べないためストレスが溜まってしまいます。
三密を避けた近所であればちょっと外出するのは問題ないはずです。
普段はあまり気にすることはないけれど、身近なところにも自然はあります。
そんな身近な自然も注意して観察してみると
今まで気づかなかった不思議なことや新しい発見がたくさんあります。
日本自然保護協会のホームページに面白いものがありました。
【休校中のみなさんへ】コロナにまけるな!Stay Home with Nature
https://www.nacsj.or.jp/2020/04/19846/
ゲーム感覚で自然をじっくり観察できる方法が記載されています。
気温が上がり、新緑の気持ちいい時期になりました。
家の近所で自然をゆっくり観察するいい機会になればいいと思います。